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サンドラ・トリバー 2021年10月13日

来年月に向かう小さな月面探査車には、短い期間ですが重要な使命があります。それは他のロボットが宇宙に居住地を建設するための基礎を築くことです。 カーネギーメロン大学のロボット研究所が開発したアイリス(Iris)と名付けられた小さな箱型探査車の重さは2kgですが、月面では約6分の1程度の重さになると、チームを率いるスクワレルヒル研究員のレーウィン・デュバル氏(Raewyn Duvall)は述べています。

この探査車は11月初旬にアストロボティック社(Astrobotic)の天体着陸船に接続され、さらにテストを行った後2022年半ばに打ち上げられるロケットに組み込まれます。 カーネギーメロン大学のプロジェクトである「ムーンアーク(MoonArk)」は、このロケットに搭載されます。 バッテリーが切れる前の72時間以内にその重要な任務を遂行しなくてはならないので、小型探査車のアイリスは地球に戻れません。 

 「私達は来年月に向かう最初のアメリカ人であり、研究者であり、そして民間探査車です。 私達の目指すところは2kgの箱型探査車を製作し、小型の箱型探査車が月面を走行し存続できるようにすることです。 そして、月の厳しい環境の中でこの探査車を走らせる駆動力を得られるかどうかが重要です」と、デュバル氏(Duvall)は語ります。

ピッツバーグで行われた振動と温度テストが月面でも実行できれば、研究者は将来多くの小型の箱型探査車を一度に送り込み、広範囲の探査が可能になります。ロケットで宇宙に行く際はキログラム単位で料金が発生するので、軽量の箱型探査車は重要だとデュバル氏(Duvall)は言います。

 「私達は多くの事を試み、月に人を送ってきましたが、居留地建設ができるようにしたいと思っています。 箱型探査車の月面との相互作用という観点からの研究を行うことができます。これは大型箱型探査車ではすでに実現しています。 この箱型探査車は宇宙飛行士が行ったことのない地域を探索し、恒久的基地として利用できる場所を探せます。そうなれば、私達は月面探査の際にすべてを持ち歩く必要もありません。

「NASAも水を探すための箱型探査車を作っており、月の極に氷を発見しました。 もし水を見つけることができれば、それをろ過し、私達が恒久的基地を月に建設する際に水を持って行く必要がなくなります」とデュバル氏(Duvall)は言います。

研究者は、人間が月に到着する前に、自律型ロボットに基地の準備をさせることを考えています。これはより安価で簡単な方法だとデュバル氏(Duvall)は言います。ロボットは3Dプリンターで構造物を作り、着陸機を月面に着陸させるために地形を水平にすることができます。

 「月で見られるすりガラスのような鋭い土壌は地球にはないので、これらの事を地球上でテストするのは難しいのです。このような特性を理解し、それがロボットにどのように影響するかを知る事は将来何ができるのかを考える上で重要です。」と、デュバル氏(Duvall)は言います。

ケネディ宇宙センターでNASAのコンピューターエンジニアの経験を持つデュバル氏(Duvall)は、NASAは今後10年で月面基地建設に向けたインフラ整備を始めたいと望んでいます。 月に基地をおくことで、火星探査やその他の宇宙旅行をより簡単に探索できるようになると彼女は言います。

「火星はかつて地球と似たような構造をしていたので、地球がどこに向かっているのかを知ることができ、その目指す方向に向かうことに役立てば良いと願っています」と、デュバル氏(Duvall)は言います。

箱型探査車アイリスが撮影する写真は、埃の量を研究者に知らせるためのもので、その環境で使えるソーラーパネルの開発を目指しています。

メロン財団の助成金を受けたこのプロジェクトの費用は50万ドル未満で、「月面箱型探査車としてはかなり安い」とデュバル氏(Duvall)は言います。 このプログラムは、2000年代初頭の月面無人探査を競うコンテストであるグーグル・ルナ・エックスプライズ(GLXP)から始まりました。 カーネギーメロン大学の約30人のチームは現在、活動を終了していますが、過去2年間で200人以上の学生が設計段階から建設に至るまで箱型探査車の開発に関わっています。
「私は常にとんでもないSFオタクでした。 中学校の科学フェアで初めて火星探査機を作り、NASAの賞を受賞しました。そして、私はNASAで働き将来は宇宙に行けるようになりたいと思っていました。大学在学中は自分から積極的に取り組むことはありませんでしたが、NASAは新しい人材確保のために、大学からの採用に力を入れていることがわかり、偶然インターンシップに応募したのですが、それ以来前に進むことしか考えませんでした」と、デュバル氏(Duvall)は言います。

宇宙やロボットに興味を持つ若者たちに、広報やソーシャルメディア、あるいは健康分野など業界の端にあるように見えても、自分が楽しめることを追求するようにと、デュバル氏(Duvall)は語ります

将来のロボット開発に向けた素晴らしいプロジェクトが沢山あります。宇宙産業にはあらゆる経験を持った人達の仕事があることを私は学びました。宇宙での生活は宇宙飛行士の健康にどのような影響があるかを研究している医師もいれば、植物が地球外でどのように機能するかを調べる生物学者もいます。

「自分が本当に楽しいと思う事をすること、そして最終的な目標を気にせずに手を広げていくことが自分の一番やりたいことにたどりつく最善の方法であると気付きました。あなた方が多くの事を知り、自分がやっていることに情熱をもって進んでいることを知ると誰もが活力を得ます。 たとえその準備ができていないと思っていても、恐れずにチャンスをつかんでください」とデュバル氏(Duvall)は述べています。