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マイケル マチョスキー   2021年6月29日 

ピッツバーグではいたるところでロボットを見かけます。しかし、路上で時折見かける自動運転車以外、ロボットが現在(そして将来)のピッツバーグ経済の中心にあることに人々は気づいていないかも知れません。

「世界のロボット工学における上位3つのコミュニティは、ボストン、ピッツバーグ、ベイエリア(San Francisco Bay Area)であり、ピッツバーグが1位か2位であるかはマサチューセッツ工科大学(MIT)とカーネギーメロン大学(CMU)との議論の行方により異なります。」と、ピッツバーグ ロボティクス ネットワーク (PRN)の常任理事ジョエル リード氏(Joel Reed)は述べています。

TRYPホテルの屋上デッキの火曜集会でのことです。ロボティクス通りの中央に位置するストリップ地区、ローレンスビル地区のテクノロジー集積地におけるロボット数は、住民の数に急速に近づきつつあります。 「ピッツバーグ・ロボティクス・ネットワークは、自動化に力を注ぎこの街を世界のロボット工学の中心にする活動を始めたのです。」 ペンシルベニア市長、ウィリアム・ペドゥート氏、アレゲニー郡幹部、リッチ・フィッツジェラルド氏、そしてカーネギーメロン大学コンピュータサイエンス学部長、マーシャル・ヘバート氏はピッツバーグのロボット工学関係者の集まりで講演しました。

ピッツバーグ ロボティクス ネットワークは会員数が100に達し、その継続的な成長を支援するためにリチャードキングメロン財団(Richard King Mellon Foundation)から125,000ドルの助成金を受け取ったことを祝いました。会員には自動運転車開発大手のオーロラ イノベーション社(Aurora Innovation Inc.)をはじめ、ロボットアーム開発のRE2ロボティクス社など多様です。

2012年以来、33億ドルのベンチャーキャピタルとプライベートエクイティがピッツバーグのロボット企業に投資され、600件近くの特許が出願されています。ピッツバーグロボティクスネットワークの推定では、この地域のロボティクスクラスターでは7,000人の雇用を生み、全体では45,000人以上の技術系の職業を支えており、2011年以降3倍に拡大しています。

「ピッツバーグは再び世界の舞台に戻った」とペドゥート市長は語り、「そしてそれはロボット工学ではなくイノベーションのおかげです。テクノロジーが鉄さびを払い落とし、立ち上がらせてくれたのです。」

ロボット工学がブームになる理由は多くありますが、すべての経路は元をたどればカーネギーメロン大学(CMU)にたどりつきます。CMUは、1988年に世界初のロボット工学の博士課程を設立し、世界最大のロボット工学研究組織であるロボット工学研究所、そこに含まれる国立ロボット工学センターを率いています。自動運転車の研究は80年代にここで始まりました。これらの実績によりこの都市は今日、世界で名の通ったテクノロジーハブになったのです。

もちろん、世界のロボット工学の中心を目指す都市は多くあります。「オースティンやデンバーのように、他にもロボット工学の新興地域があります。私たちが大いに尊敬の念を抱いているのはデンマークです」とリード氏は述べています。「しかし、ピッツバーグの広がりと奥行きの深さは際立っていると思います。 それは実に第4の産業革命、インダストリー4なのです。 それゆえに、私たちは自律型ロボット産業を発展させることに尽力しています。」

ピッツバーグには18の異なる産業用ロボット(垂直多関節型ロボット)があり、農業、鉱業、宇宙探査などの専門分野を成長させてきました。自動運転車の製造にあたるアルゴAI社(ArgoAI)は、ピッツバーグ本社で500人、世界中で1,500人を雇用し、大きな注目を集めています。しかしその一方では、薬局運営の自動化を開発しているオムニセル社(Omnicell)などのあまり知られていない有望企業もあります。「オムニセル社は、企業としての忍耐力に関しては素晴らしい例です。」とリード氏は述べています。「彼らは、カーネギーメロン大学(CMU)から生まれた最初のいくつかのスタートアップの一つで、Automated Healthcare社から派生しました。」

ピッツバーグのロボット工学エコシステムは十分に進化を遂げ、ピッツバーグ大学やカーネギーメロン大学(CMU)からの専門エンジニア派遣を必要としないほどです。

 「私がIAMロボティックス社(IAMRobotics)に勤務していた時、最も採用が難しい職の1つは、サービス技術者でした」とリード氏は述べています。「レンチの操作だけでなく、指揮下でも作業でき、出張にも出てもらう必要があります。 これらの条件に見合う人材を雇うのは非常に困難です。したがって、成長に伴い発生する業務であるサービス、組み立て、販売、マーケティングなどは全て営業活動から生じる業務であり、私たちはより大きな雇用を、地域社会全体の中で生み出して行けると信じています。」

このグループでは、ロボティクスの成長により全員が平等に恩恵を受けるわけではないことを認識しています。

「一般的にテクノロジーには多様性の課題があることはご存じだと思います」とリードは説明しました。「そして、ロボット工学もその影響を受けないわけにはいきません。 とはいえ、私たちのビジネスリーダーはこの問題に非常に深く関心を寄せていると言うことができます。私たちのコミュニティが小規模で緊密であることが、ピッツバーグの特徴かもしれません。」 そのためにはR.K.メロン財団の支援が重要な役割を果たします。

「経済発展のためだけでなく、経済、ジェンダー、人種的不平等な状況にある、サービスの行き届いていない人々のための道筋を作り始めます。」とリードは述べました。「私たちはすべての答えを持っているわけではありません。しかし、私たちが最初からやろうとしていることはこれらのコミュニティと話し合い、私たちがしていることに彼らを参加させることです。」

人々がアメフトの話題以外にピッツバーグに思いをはせる時、最初にロボットを思い浮かべる未来はあるでしょうか? 「ソーシャルメディアやインターネットテクノロジーに従事している人達は、いつも年に一度はベイエリアを通り抜けています。 そして、ロボット工学や自律システム分野で働いてる人は、年に1度はピッツバーグに来てください。」 リードは続けます。

 「ピッツバーグは最前線にいます。そして、私たちが第1次産業革命と第2次産業革命のさ中にいたように、私たちは今のロボット革命を導いています。」