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ピッツバーグ大学とピッツバーグ大学医療センター(UPMC)の科学者達による画期的成果

マイケル・マコスキー 202042

コロナウィルスの広域に及ぶまん延が世界中を苦しめている中、ピッツバーグ大学とUPMCは可能性のあるコロナウィルスワクチンの開発に全力で臨んでいます。 研究者達は溶解性マイクロ二―ドルアレイを開発しました。これはバンドエイドに類似し、冷蔵の必要はなく、他のワクチンと比べ簡単に大量生産できます。このワクチンはPittCoVaccと名付けられ、マウスを使った実験に成功しています。


「マイクロニードルアレイは何百のも微細な針(マイクロニードル)が付いたバンドエイドに似たばんそうこう(当て布)で、糖類に類似した物質で構成され体内で急速に溶解します」と、UPMCの皮膚科学教授ルイス・ファロ氏は述べています。 また「配列されたマイクロニードルは局所的に押し付けられた皮膚に無理なく作用します。ワクチンは針に溶け込んでいるので針が皮膚に押し付けられると、皮膚の外層を突き抜け溶解しワクチンを放出します」と付け加えました。 現存する殆どのワクチンとは異なり、このワクチンは冷凍あるいは冷蔵保存の必要がありません。 「マイクロニードルアレイはバンドエイドのように常温保存が可能なので輸送費を削減し、特に後発開発途上国へのワクチン配布をサポートします」と、ワクチン開発を生涯の仕事としているピッツバーグ大学医学部外科准教授アンドレア・ガンボット氏は述べています。

 

この論文は医学雑誌ランセット(The Lancet)が出版したEBioMedicineに本日掲載されました。UPMCのプレスリリースによると、外部機関の科学者達のCOVID-19候補ワクチンについての評論の後に発表された最初の研究論文です。研究者達はコロナウィルス流行の早い段階ですでに土台になる研究を行っていたため、迅速に対処することができました。

 

「このワクチンは皮膚生物学者、生物工学者、生物学者など、多様な分野の科学者が共通の目標に向かって取り組んだ共同作業の成果です」と、ファロ氏は述べています。そして「この事はピッツバーグ大学とUPMCにおけるコラボレーション環境の特徴であり、またこの場所はジョナス・ソーク博士が65年近く前にポリオワクチンを生み出した所でもあります。ポリオワクチンにより年間55,000件を超える身体障害あるいは致命的な症例は今日基本的に消滅しました。

 

次のステップは臨床試験です。 ファロ氏はこのように述べています「私達は現在FDA(米国食品医薬品局)と連絡を取っています。この臨床試験プロセスには通常2年かかりますが、このような世界的大流行の状態は正常とは言えません。NIH(米国国立衛生研究所),FDAそして他の規制機関はこの臨床試験プロセスを加速させ、今日ではFDAの承認が得られると直ちに人体安全性試験を開始することができます。」

 

UPMCで過去に行われたSARSMERS対処薬研究により今回のワクチンの基礎が築かれました。「今年の1月下旬にSARSコロナウィルス2の遺伝子配列が発表された時、私達は既存のツールに組み込むことができワクチンを迅速に生産しました。 遺伝子組み換え細胞を使い、SARSコロナウィルス2の外側にスパイク蛋白質を造ります。これは免疫システムが感知するウィルスの一部であり、免疫システムが感知すると体内に抗体ができ、ウィルス感染とCOVID-19弊害から人体を保護します。このワクチンが投与されると、その後同じウィルスに感染することはありません。


「このように、このワクチンは安全です。その理由の1つとしてはワクチンの抗原が従来のインフルエンザワクチンよりもはるかに低用量だからです。2つ目の理由はとしては、使う抗原は皮膚内の非常に限られた部分に浸透するので、インフルエンザワクチンを使用する際に一部の患者で見られるような全身反応が起こる可能性は殆どありません」と、ファロ氏は述べています。

 

殆どの場合、ワクチン開発期間は12カ月から18カ月の間と見積もられています。「特定のタイムラインを与えられるという点において、私達はこれを回避するつもりはありません。 規制プロセスは何度も繰り返され、それにかかる時間は規制プロセスの評価次第です」と、ファロ氏は述べています。そして「今言えることは、このワクチンが承認されたら私達はいつでも次の段階に進む準備ができています」と、付け加えました。